貧困と格差から子どもを守るとりくみ 詳細
2010.04.20
3・13パネルディスカッション「子どもの貧困と格差にどう向き合うか」成功!
子どもの貧困と格差の実態を可視化する
子どもの貧困問題について、労働組合が正面から取り上げることは画期的です。まずは、子どもの貧困を可視化すること。今回のパネラーの発言は、現場の実態を充分に伝えるものとなりました。報告のほんのエッセンスだけですが、お伝えします。
■伊藤均さん(教員)
荒れている4年生の子どもたちは、自己肯定感を失い、孤立していました。その背景に、貧困家庭や中流にしがみつく家庭の子育て・教育力の貧困がありました。それぞれの生きづらさを読み解くことで、共感を育み、教室を安心できる居場所に作り変えていきました。
■越智有吾さん(事務職員)
事務職員は、保護者の私費負担を軽減するためにとりくんでいます。府中市は、テストやドリルを公費負担とする全国でも貴重な自治体です。教育予算や経費節減について中学校事務職員が情報交換をすすめてもいます。受益者負
担の考えが横行していますが、教育の恩恵は社会に還元するものです。無償化をすすめましょう。
■高瀬廣子さん(養護教員)
ケガや病気だけでなく子どもをいつも受け入れる保健室は世界に例を見ない優れた制度なのです。給食が唯一食卓を感じられる食事になっている子、保護や愛情がなくエネルギー切れの子、医療費が負担できず医者にいけない子などに保健室が手を差し伸べています。
■増田さん(私教連)
授業料滞納で退学に追い込まれそうな子を救うとりくみがすすんでいます。3月12日には都立高校授業料無償化の法案が成立して、私立には就学支援金が出され、生活保護世帯の授業料はほぼ無償となります。でも、まだまだ公私格差が。高校生も自分たちの問題としてとりくみはじめています。
■山賀さん(私大教連)
奨学金が、卒業時には843万の借金になってしまいます。大学の教育費負担保護者アンケート結果をマスコミも大きく報道しました。私学への国庫補助は少なく、仕送り額は減り続けています。アルバイトや就活でじっくり学べない大学生が増えています。給付型奨学金制度などで教育の機会均等を。
■田川さん(東京自治労連)
生活保護世帯は10年で2倍に膨れ上がりました。児童養護施設出身の子どもの現状は厳しく、貧困の再生産がすすんでいます。ひとりで100件を超えるケースを預かるなど、ケースワーカーは不足し、自立のための援助が困難となっています。福祉現場の人を減らし、所得の再分配を行わない政治の責任は重大です。
■由比ヶ浜さん(新婦人)
若い世帯の貧困は進み、保育所の要求は高まっているのに、東京に待機児童が7939人も。新婦人の「子育ての願い聞かせてアンケート」には切実な声が届いています。保育所での急死の例が報道されて心が痛みます。認証保育園が増え、品川で小学校の空き教室を保育室にする計画、定員以上に詰め込まれた子ども、目の前が喫煙室のビルの中の保育室など、保育行政には問題が山積しています。
貧困と格差の解消に向けて共同のとりくみを
第2部は、パネラーの報告を受けて、会場からの発言がありました。報告を聞いて衝撃を受けた、子どもにかけるお金が少なすぎる、歯の治療が受けられずに死亡した事例もある、スクールソーシャルワーカーの活用をなどの報告・意見が出されました。
最後に、以下のように、連絡会議のとりくみを報告し、これからの運動の提起を行いました。
■岸田(都教組)
この1年、6月5日に発表した提言を具体化し、運動をすすめてきました。都への要請、都議会への請願、就学援助制度の調査、全国署名と高校進学署名の推進を行ってきました。板橋支部の陳情が継続審議に、町田支部の請願は全会一致で採択されました。政治情勢が変わってきた中、要求すれば変わる情勢にあります。
学校や地域でできるとりくみのリーフレットも作成し、広く子どもを守る運動のネットワークを呼びかけました。子どもの貧困問題について話題にすることからでも運動はすすめられます。教育現場だけでなく、保育、福祉、労働の分野、広く都民と結んだ運動にしていきましょう。
最後に、都教組の相楽書記次長が、背景の労働者の貧困問題にとりくむこと、受益者負担主義を克服し教育の無償化をすすめること、憲法25、26、27条の原則を高めていくことを訴えてまとめとしました。
