行財政改革実行プログラム反対のとりくみ 詳細
2007.03.15
緊急声明 都民・職員犠牲の都政リストラ「行財政改革実行プログラム」反対!
都教組は、事務職員の任命権先行移譲による教職員の分断を許さず、
都民・職員の要求実現、都民本位の都政実現めざして断固たたかい抜く
2007年3月8日 都教組執行委員会
1.国の「構造改革」を先取りし、さらなる都政リストラ
石原都知事は、任期最後の都議会第1回定例会の所信表明(2月7日)で、自らの「改革の成果」と「10年後の東京」計画を自画自賛し、次のようにさらなる都政「改革」の推進を表明した。
「職員定数をこの8年間で2万人削減するとともに、国や他の自治体に先んじて職員の給与カットを実行するなど、都が率先して身を削る姿を全国に示すことができたと思っております。今後とも、『行財政改革実行プログラム』に掲げた目標達成に向け、着実に定数削減をすすめるとともに、事務事業の執行体制を徹底して見直し、これまで以上に効率的な行政サービスの実現を目指してまいります。」
石原都政はこれまで財政危機を強調し、二次にわたる「財政再建推進プラン」「都庁改革アクションプラン」をもとに都民施策を切り捨て、職員定数削減や賃金カットなど都政リストラを強行してきた。
さらに、都は2005年12月「行財政改革の新たな指針」を発表し、その具体化である「行財政改革実行プログラム」を2006年7月に策定した。
その内容は、政府・財界の「構造改革」を先取りし、東京から「官から民へ」の「小さな政府」路線を推進し、都政が本来担うべき都民の生活と教育・福祉、安全を守る責任を放棄して自治体を変質させるものとなっている。
2.自治体の責任を放棄する「行財政改革実行プログラム」
「行財政改革実行プログラム」は、「(小中)学校事務職員の区市町村への任命権の移譲」など212の実施計画を掲げ、都立病院改革を最大のターゲットにしつつ、(1)独立行政法人化促進、(2)直営部門をコア事業に特化し、他は監理団体・民間事業者を積極的に活用して定数削減、(3)新たな定数削除(3 年間で4000人)と、(4)監理団体改革(統廃合・民営化・都派遣職員等の削減など)、(5)東京都版市場化テストの導入、(6)指定管理者制度の拡大等を掲げ3年間の年次計画を示している。
「行財政改革実行プログラム」は、「改革」を唱えていても、都民の生活実態、要求に応えるものではなく、都政を「構造改革」し、福祉・医療・教育を切り捨て、都民・職員犠牲の都政をいっそう押しすすめるものとなっている。
3.「任命権の移譲」は、子ども・教育・教職員不在の暴論!撤回せよ
「行財政改革実行プログラム」は、小中学校に重大な影響を与える内容として、次のように記述している。
『...事務職員(約2000人)の任命権の移譲について、区市町村との調整をおこなった上で、先行的に、国へ法改正を要求していきます。また、任命権の移譲が実現するまでの間、都費負担職員(事務)への再任用職員の活用拡大や人事交流などを検討し、実施します。』
上記のことが実施された場合、学校現場に次のような重大な影響が出ることが考えられる。
(1) 現在は、県費負担教職員として人事上同じ扱いとなっているが、事務職員のみ任命権が先行移譲されれば、教職員の分断をまねき、全教職員が一体となった『子どもを真ん中にした学校づくり」が、困難となり、切実な社会的要求となっているゆきとどいた教育、きめ細やかな教育条件づくりが不可能となる。
(2) 任命権の移譲に伴って、各自治体の財政力の格差が学校事務職員の配置のあり方に反映し、非常勤職員や再任用職員・再雇用職員などを配置する自治体が多く出てくることが、十分に予想されることである。すでに区市町村負担事務職員の臨時・非常勤化が広がっており、さらに、一部の私学ではすでに具体化されているアウトソーシング、または、人材派遣等の導入が検討される可能性が強いと思われる。
(3) 2007年以降に大量の退職者を迎えるが、「再任用職員の活用拡大」での対応で心配されるのは、学校現場での経験がまったくない再任用職員が他部局から配置され、学校運営も配置された本人も大きな困難を抱える。
かねてから、特別区区長会が教職員の人事権委譲を要求し、新自由主義「教育改革を」競い合う地教委が、教員独自採用(07より杉並区、品川区も08募集予定)をすすめている。
すでに、一部の区市町村教委は、この動きを先取りし「教職員の人事権等の権限委譲の動向に対応するため」の教育委員会の組織改正などをすすめている。
一方、教職員の任命権問題は、「構造改革」・「小さな政府」論にもとづき昨年成立した「行政改革推進法」や改悪教育基本法を土台に中教審で審議されている。
情勢は重大である。しかしトップダウンで押しすすめるこれらの「改革」は、子どもや父母、教職員不在で、そこには教育の条理は存在しない。30人学級をはじめゆきとどいた教育実現を願う国民の要求に応えた教育条件整備をすすめる教育行政の責務を放棄している。このような「行財政改革実行プログラム」と「事務職員の任命権移譲」は絶対に許してはならない。断固撤回を求める。
4.「教育守れ!」全教・都教組が切り開いた運動をさらに前進させよう
人事権移譲問題は、小泉内閣の「三位一体の改革」による義務教育費国庫負担の削減問題と一体となって浮上した。
全教と都教組は、義務教育費国庫負担制度の堅持・拡充を強く求めて、PTAなど多くの教育団体との共同を広げ、職場からの要請はがきの集中、集会・要請行動等のとりくみをすすめ「すべての子どもを大切にし、教育の機会均等を」の世論を大きく広げてきた。
全教事務職員部は、文科省交渉をおこなった。(06年12月8日)
全教が「政令市・中核市・特別区の人事権移譲は都道府県内に教育格差が生じる上、教職員の労働条件に関わる重大な問題であるため、関係者の合意なく行わないこと」を、さらに都教組事務職員部長は、「東京都は、行財政改革実行プログラムで、事務職員を先行して区市町村への移譲を行うことを発表した。学校を雇用調整の再雇用の場所に考えており、学校運営がむずかしくなる。合意なしに行うことのないよう指導を」と強く求めた。それに対し、文科省初等教育局は「具体化するところまでは行っていない」と答えている。
都教組は、義務教育国庫負担制度の堅持、定数増、教育条件の改善を要求し、都議会・都教委への要請行動、定員予算要求をおこなうとともに「行財政改革実行プログラム」の解明要求・欠員補充のとりくみをすすめてきた。
いま、学校教育の過重な課題や格差社会の子どもたちへの影響が社会的問題となる中で、事務職員の役割は極めて大きくなっている。
強権的にトップダウンですすめる「行財政改革実行プログラム」に反対し、子どもと教育を大切にしたいと願う人たちと力を合わせ、たたかうことが求められている。
5.国民・労働者要求と結び「行財政改革実行プログラム」反対のたたかいを
全教は、「構造改革」「骨太方針2006」から国民のいのちと暮らしを守るとりくみと結合し、「行革推進法」による労働者・教職員の賃金・労働条件を守るとりくみを全労連・公務労組連絡会に結集しとりくみをすすめている。
また、都労連は、2月28日の第2回中央委員会で「当面の方針」を決定した。その中で次のように指摘している。
「これは文字通り『小さな政府』論に基づく公共サービスの切り捨てであり、『市場化テスト法』『行革推進法』に依拠して行政の役割と責任を放棄したものに他なりません。憲法に定められた『地方自治』の理念に立ち返りつつ改めて都政の役割を確立し、都民施策を擁護・拡充する都民本位の都政運営への転換が一層強く求められています。」
まさに「行財政改革実行プログラム」は、行政改革を徹底的に押しすすめる「公務員つぶし」といわざるを得ない。そして公務員バッシングキャンペーンと「都が担う範囲の再構築」のかけ声のもと、都民に対する行政サービス、特に福祉・医療・教育そして都民生活を支えるあらゆる分野の事業・施設運営からの撤退を強行しようとしている。「行財政改革実行プログラム」反対のたたかいとすべての国民・労働者の要求実現をめざすたたかいと結びたたかう。
6.都民・職員犠牲の石原「構造改革」ストップ!子どもと教育を大切にする都政の実現を!
2007年都知事選は、石原都政に終止符を打つ選挙である。いま石原暴政を変えたいと願う思いは職場に満ちあふれている。
都政をどう変えるかが選挙戦で問われている。都教組は、子どもと教育を守る都教組要求の実現をめざす。吉田万三さんが掲げる都政改革プラン「憲法を都政に生かし、税金のムダづかいをやめて、くらし・福祉最優先の東京をめざします」は、私たちの石原都政への怒りと要求そのものである。
憲法・「教育基本法」・地方自治法に基づく自治体本来の役割を発揮する都政を実現しようではありませんか。そして石原「構造改革」にストップをかけ、子どもと教育を大切にする都政へ転換するために全力をあげようではありませんか。
〈とりくみの基本〉
(1)政府・財界の「構造改革」と一体となった「行財政改革実行プログラム」に反対し、都民・職員犠牲を許さず、教育・福祉・医療・雇用を守る都民要求と結び要求実現めざしたたかう。
また、都労連及び加盟単組と連携したたかいを前進させる。
(2)「事務職員・教員の任命権移譲」については法改正が必要であり、「特に事務職員の任命権移譲先行実施は、『子どもを真ん中にした学校づくり』を困難にする教職員の分断をまねき、教育のあり方にかかわる重大な問題である。全教を先頭に全国的たたかいを構築するために奮闘する。
(3)都教委に対しても、任命責任を果たすことを強く求めるとりくみをすすめる。同時に、全都の学校教育水準を保障するために正規職員での欠員補充を要求して、とりくみを強化する。
(4)都民本位の都政の実現めざし、憲法を都政に生かし、税金のムダ使いをやめて、暮らし・福祉優先、「どの子にもゆきとどいた豊かな教育条件の整備を緊急にすすめる」ことを政策として掲げる吉田万三さんを先頭に都政の流れを変えるために全力を尽くす。
