【シリーズ企画】これでいいのか「都立高校改革」 詳細
2002.09.15
1.希望するすべての子どもにゆたかな高校教育を
都教委は6月末、資料のような「都立高校改革推進計画・新配置計画(案)」を発表しました。また、今年は都立高校人学者選抜要綱も大きく改悪されました。 これらは、子どもたちをこれまで以上に追いつめてしまうものではないでしょうか。こうした問題について、高校問題対策委員会より、シリーズでお伝えしま す。
入学枠ますます狭く
今回の計画は、1997年に策定された「改革推進計画」具体化の第3弾(最終)にあたりますが、「第3次計画」ではなく、「新配置計画」として発表されました。それは、今の計画が、九七年の計画の延長線ではなく、いっそうの子どもいじめの内容だからではないでしょうか。
最も大きな問題は、都立高校への入学枠が、これまでよりもっと狭められてしまうということです。
当初の計画は、96年度の中学卒業生・約9万人が2010年度には約7万人に減ると推定し、当時208校あった全日制高校を30校削減するとい
うものでした。ところが、今年の推定では、2010年の生徒数は約7万5千人であり、約5千人の誤差が生じています。当初の割合で計算すれば、削減する高
校数は23校に変更しなければなりません。しかし、今回の発表は、全部で28校の削減です。結局、当初計画よりもっとひどい"都立高校つぶし"です。
一方、子どもたちの状況はどうでしょうか。昨年12月の調査で75,137人が全日制高校入学を希望していましたが、実際の入学は
72,445人、その差は2,692人です。都立高校には、53,028人が第1希望でしたが、実際の入学は44,321人と、8,707人もの隔たりが
あります。都立高校に入りたくても入れなかった生徒が9千人近くもいたにもかかわらず、こうして都立高校を削減し、入学枠を狭めていくことは、なんとして
も許すことはできません。
このことは、定時制についても同様です。今回の計画は、100校ある定時制高校を55校に削減し、将来的には「全定併置校の解消をめざす」と
しています。そのため、4〜5校の夜間定時制高校をつぶして「昼夜間定時制高校」に統合するとのことですが、これもまた、重大な問題です。
たとえば、いま、八王子地区にある夜間定時制は全部で38学級です。都教委は、それを統合して40学級の「昼夜間定時制高校」をつくるから、
生徒の受け入れは問題ないとしています。しかし、午前部・午後部・夜間部を3つ合わせて40学級ですから、夜間部だけ考えれば、おそらく12学級程度で
しょうか。昼間の仕事場との関係や不登校の経験などさまざまな理由で、「夜間だから通える」「近くにあるから通える」子どもたちの権利を奪ってしまうので
はないでしょうか。
「都立高校改革」としてまずやるべきことは、希望するすべての子どもにゆたかな高校教育を保障するための条件整備です。
(注)中高一貫6年制学校とは、中等教育学校または併設型中高一貫教育校 ☆は新設校の設置場所
