子どもと教育を守る

【シリーズ企画】これでいいのか「都立高校改革」 詳細

2002.10.15

3.希望するすべての子どもにゆたかな高校教育を

問題だらけの中高一貫校

 「都立高校改革推進計画・新配置計画」は、97年には「パイロットスクールとして2校設置」としていた中高一貫教育校を、10校(各学区に1校ずつ)に しました。その理由について都教委は、(1)98年に学校教育法が改定され、(2)教育改革国民会議などが推進の方向を打ち出したこと、(3)都民調査で 10校以上の設置を望む声が半数を超えていることをあげています。
 しかし、資料にもあるように、過半数といっても、必要数として(1)100校程度、(2)30〜40校程度、(3)10校程度を足した場合で す。小学校段階での激しい競争が予想される中高一貫校の設置数を考える時、100校程度という人と10校程度という人の意見は異なるはずです。「10校程 度では競争が激しくなるから反対だが、都立の半分が中高一貫になるなら、話は別だ」という人もいるでしょう。そうした意見の違いを吟味することなく、過半 数が10校以上を望んでいると判断するのは、あまりにも乱暴です。
 さて、中高一貫校には、(1)6年間通して教育を行う「中等教育学校」と、(2)同一の設置者が中学校と高校を接続させ、高校進学時には他か らの進学も受け入れる「併設型」、(3)区市町村立の中学と都立の高校が教員や生徒の交流などを行う「連携型」があります。今回示された10校は(1)か (2)ですが、都教委は、今後、区市町村教委の申し出があれば「連携型」も積極的に推進するとしています。
 いずれの場合も、入学時の激しい競争が心配です。「学力検査はしない」と決議されてはいますが、各学区1校ということは、平均して各小学校1 人です。一斉に進められている学校選択制のもとで、子どもたちは、小学校入学時から激しい競争においたてられてしまうのではないでしょうか。
 もう一つの問題は、中高一貫校で行われる教育の内容です。都教委検討委員会報告は「教養教育を行う」としています。それは、学校教育法の言う 「普通教育及び専門教育」と、どう違うのでしょうか。教育課程の例には「日本文化の理解」「体験学習」「社会貢献」などの文字が目立ちます。6年間かけて 特異な教育をすすめようとしているのなら、重大な問題です。愛媛の中高一貫校で「つくる会」教科書が採択されたことが想起されます。
 このような問題をもった中高一貫校が、地元の教育関係者に何の相談もなく設置されようとしていることもまた、重大な問題です。本当に必要なのかどうか、各地域で議論していく必要があります。

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