【シリーズ企画】これでいいのか「都立高校改革」 詳細
2002.11.15
5.希望するすべての子どもにゆたかな高校教育を
高校入試と「絶対評価」
子どもの不安・不信 いっそう深める道に
入試とは無縁の絶対評価
わたしたちがこれまで大事にしてきた評価は、子どもにつける力をはっきりさせながら、授業や実践をとおしてどの子にも確かな力を保障していくための評価 でした。いわば、子どもの成長・発達を願い「学力」の保障を、という考えにたって行われてきたものです。そのようななかで、都教委が都立高校の入学者選抜 試験のために無理に中学校に強いてきたのが5段階相対評価「集団に準拠する評価」でした。しかし、今年から「学習指導要領の目標に準拠した評価=絶対評 価」が押しつけられてきました。これは文部科学省の明言どおり「関心・意欲・態度」を先頭にした観点別評価をもとに評定を出すというもので、学習指導要領 のねらいをきっちりと行わせるための評価法です。この「絶対評価」は「どの子にも豊かな学力の保障をめざす教育」ではなく、「できん者はできんままで結構 (三浦朱門氏のことば)」とする教育をすすめるためのささえとなるものです。どちらの評価法も、高校進学希望者のなかから、点数のよい子を選び採りする入 学者選抜とは全く無縁のものです。都教委は、その無縁の評価法にさらに、「信頼性」を持たせるべく、中学3年生1学期の評定状況を調査し、来年度の入学者 選抜の調査書の評定に使うことを決定しました。これには大変な問題点が含まれています。
入試を使って、指導要領の徹底へと、教師を追い立てる
調査結果として都教委は、「目標に準拠した評価を概ね実施していると判断」としながらも、他方、4・5の多い学校、1が0の学校に対し ては個別な検証と必要な改善を図るとしています。同時に、「絶対評価」結果と従来の5段階相対評価を比べて、差は少なく「評定の信頼性・客観性」はあると 示唆しています。これは、「絶対評価」の入試における信頼性の宣伝と、教師の自由な評価に都教委が口をはさみ、束縛してくることを物語っています。たとえ ば、ある地教委では、観点別評価に重みをつけさせ、地教委が考えていた重みづけと違う教師を名指しで注意し「正させる」動きも出ています。まさに、入試を 使って学習指導要領の徹底をはかり、さらにその評価法に従う教師へとわたしたちを追い立てる道がつくられているといえます。
今までの「1」と、「絶対評価」の「1」の質的な違い
「これまでは力があっても%で決められていたのでやむなく『1』をつけざるをえなかったが、今度からはどうしようもない子が『1』になる のでは」と私学の一部の声を耳にします。しかし評定でいうならば、4・5が多く、1をなくすことがわたしたちの仕事のはずです。「絶対評価」で「1」は全 くその子のダメを意味するものとなります。今までの「1」との質的な違いがここにあります。 子どもの成長とは全く相容れない競争による入試で「絶対評価」が使われ、ダメな子の烙印が押される。または、比べようの無い評価が入試に使われることで 引き起こされる子どもの不安や、学校・教師に向けられる不信が、増幅される心配があります。子どもを競争と選別で採っていこうとする制度がつづくかぎり子 の問題は解決されません。高校は、勉強したいと願う子どもたちすべてを受け入れるところであって欲しい、とつくづく思うのです。
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4.入学選抜における絶対評価の活用 (1) 学習の目標の実現状況を評価するいわゆる絶対評価は、生徒一人一人にとって適正な評価方法であり、都立高等学校の入学者選抜の資料として十分活用できる。
平成15年度東京都立高等学校等入学者選抜にかかわる都内公立中学校第3学年1学期の評定状況の調査(予備調査)の結果についてより 平成14年10月10日 教育庁 |
