子どもと教育を守る

【シリーズ企画】これでいいのか「都立高校改革」 詳細

2002.11.25

6.希望するすべての子どもにゆたかな高校教育を

希望するすべての子どもに高校の椅子を
「高校就学計画」でなく、「全員受け入れ」のしくみを

子どものねがい不在の計画が

 東京都教育委員会と私学協会による公私連絡協議会は、10月、次年度の「高校就学計画」を発表しました。子どものねがいと、この計画を重ねてみたとき、「子どものねがいや実状を理解しない人たちが作った計画」と言わざるをえません。

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最初から4%は受け入れない

 一般的に考えて「少子化で高校入試も楽になるのでは」という期待があります。しかし進学率は最初から96%と制限されています。「なぜ生徒が減り、教室が余るのに募集数を減らすのか」だれもがもつ疑問です。進学率96%ということは、平成15年度の計画でいえば、この10月の時点で早くも公立中学校卒業予定者のうち、3126人が排除されたことになります。

【写真】教育基本法を生かした教育行政を(11/17、上野)

不況で都立しか行けない

 計画進学率は96%でも、今年度の実績進学率は91・6%でした。その差、3929人の子どもは入学選抜の結果、何らかの形で高校進学を断念したことになります。公私連絡協議会が、公私分担を1999年に59・6対40・4と取り決めたそうですが、私立高校への進学実績は毎年減少しています。これは、不況などの影響で経済的に私学に行けない子が増えているためと考えられます。公私分担に固執すれば、都立に落とされた子どもは、経済的理由で高校教育を受ける道が閉ざされます。公私分担に固執せず、子どもの進学が可能な高校を用意して欲しいと思います。

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はじめから1万人いれない

 昨年12月、東京都中学校長会進路対策委員会の調査によれば、都立高校全日制志望者数は53028人でした。しかし、都立受け入れ計画は、43400人です。進学率の問題だけでなく、はじめから一万人はいれない前提で、子どもの希望の実態など念頭に置くことなく作られている、幾重にも子どもの希望を排除してつくられた「計画」といえます。

選抜制度なくし希望者全入へ

 1948年、新制高校発足のとき、当時の文部省は「高等学校は、希望するものはすべて入学させることを建前として...」と、文字どおり憲法・教育基本法の精神を生かした指針を示しました。しかし、昭和38年の文部省通達「高等学校教育を受けるに足りる資質と能力...」を皮きりに、適格者選抜の考えが広がり、いま東京では、「都立高校改革推進」の波のなかで、学校を他校と比較して「差別化」し、品質向上の対象としてとらえる考えが襲ってきています。都民に対しては「選抜させていただくのが当然」とし、教育の世界に競争の原理を取り入れてはばかりません。
 しかし、「希望する子どもに高校教育を保障する」根本的な考えは、憲法第26条(教育を受ける権利)、教育基本法第3条(教育の機会均等)、児童の権利に関する条約第28条(教育への権利)に高らかに謳われています。友達が何度も落とされたのを悲しんで訴えた子がいました。「先生、高校は何のためにあるんですか、勉強したい子がいて、それを応援するのが学校というところじゃないですか」と。
 都教委は「差別化と競争」の考えから「人間が豊かに育つための教育の機会を保障する」考えに転換してほしい。その観点に立てば、「高校就学計画」という就学制限計画など、あってはならない代物です。いま、この根本に立ち返って東京都教育委員会は考えるときです。

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