子どもと教育を守る

【シリーズ企画】東京都の「一斉学力テスト」を斬る 詳細

2007.07.05

3.東京都の「一斉学力テスト」を斬る

中学2年 英語 小野寺 圭
 東京都の学力テスト(英語)の各問の末尾には、学習指導要領の教科目標に対応した4つの「観点」が付されています。

■「関心・意欲」があっても問題は解けない
 大問3と4は、「コミュニケーションへの関心・意欲・態度」の問題となっています。3は、身近な品物などについて5〜7つの英文で説明し、それが何であ るかを日本語で示された品目の中から選ぶ問題です。この問題はどんなに「関心・意欲」があっても、英文の説明文が理解できないとまったく解けません。4 は、文通相手の外国人に対して質問をするという設定で、Do you play......? Do you like......? Can you......? When.......? What........? などの疑問文の基本形式や疑問詞があたえられ、それを用いて4つの英語の疑問文を作る問題です。この問題も「関心・意欲」があっても、表現の基本ができな いと解けません。
 これらの問題は、「コミュニケーションへの関心・意欲・態度」の問題となっていますが、けっきょくは「理解と表現」の問題です。つまり「関心・意欲・態度」が引き出されるためには、「理解や表現の知識・能力」が欠かせないことを、この問題は逆に示しているといえます。

■出題問題と「観点」の関係が理解できない
 大問1.2.7は「理解の能力」の問題となっていますが、そのうちの1は英文を聞いてそれに応答する文としてふさわしい文を選択肢から選ぶ問題です。し かし、これを解くには「理解の能力」はもちろん必要ですが、応答する文を選ぶためには「表現の能力」も必要になります。つまり「理解」と「表現」の能力が 一体のものとして求められています。
 大問5.6は「言語や文化についての知識・理解」の問題とされています。5の小問(2)は、犬のジョンが犬小屋の中にいる絵を示し、John is (  )the house.という文の空欄を、in, on, with, toの語群の中から選ぶ問題です。6の小問(1)は、Where did you go yesterday? の答えとして、I, to, the park, with, my sister と並んだ語列のどの位置に went が入るかという問題です。これらはいずれも語彙と文法の問題であり、整理すれば「理解と表現の能力」に属する問題となります。これと区別して 「言語や文化についての知識・理解」の問題としている理由がわかりません。つけ加えれば、「文化」ということが入っているけれども、文化についての問題は 出題されていません。

■4つの観点に区別することに無理がある
 出題された問題は、無理やり4つの観点に区別されていますが、その趣旨がまったくわかりません。どの問題を解くためにも、子どもたちは「理解と表現のた めの基礎的な知識と能力」を一体のものとして働かせているわけで、問題作成もそこから出発すべきだと考えます。一体のものとして働くものを、分けて測ろう とするところに根本的な矛盾があるのではないでしょうか。

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