【シリーズ企画】東京都の「一斉学力テスト」を斬る 詳細
2007.08.05
4.東京都の「一斉学力テスト」を斬る
「四択」で国語の学力が判断できますか? 河合尚規
■全問「四択」学力は「答えを選ぶこと」なのでしょうか?
国語の「テスト」は(a)「言語についての知識・理解・技能」(小・十二問、中・十問)、(b)「話す・聞く」(小・三問、中・二問)、(C)「書
く」(小・三問、中二問)、(d)「読む」(小・四問、中・四問)に加え、なぜか中学校のみ「読むこと」四問、(e)「国語への関心・意欲・態度」(小・
三問、中・三問)、総計で小・中とも二十五問です。
第一に、国語科各領域のバランスの問題です。全二十五問中、「言語についての知識・理解・技能」が、小学校で十二問、中学校は十問、全体の四から五割を
占めています。これは発展的、多面的に言語活動を展開する小学校高学年や中学生の国語学力の調査としては明らかにアンバランスです。
第二には、教育の専門家や研究者、学校現場からくり返し批判されてきたにもかかわらず、依然として全問が「四択」であることです。択一結果は学力ではありません。
第三に、すでにこれまで言い尽くされたことでが、「関心・意欲・態度」の点数化の不当さと、設問のくだらなさを強調しておきたいと思います。
■「書く」などの言語活動がなぜ「四択」で判定できるのでしょうか?
「書く能力」の出題に典型的に現れているように、小・中ともに、「......最もふさわしい事がら」は?「......ふさわしいものの組み合わせ」は?「(段落を分
けて書くのに)どこで分けるのがよい」か?「(一文を加えるのに)どこに入れるのがよい」か?など、ここでも全問が「四択問題」です。「書く力」をみるの
に、一行・一文も書かせないで「四択」のみで「書く力」を判定できるはずがありません。
学校現場でも、的確に、表現豊かに文章表現ができる力を育てることは容易なことではありません。反復・くり返しだけでこうした力は育ちません。ましてや直感や知識で「こっちのほうが」と選択できたからといって、その子に文章表現の力があるというわけではないでしょう。
子どもと日々ていねいに向き合い、励ましと自信をあたえるような指導をおこなうなかでの学力評価こそが必要なのであって、こんな「テスト」の「丸投げ採点」で「学力」や「ランク」が決められたのでは、子どもも教職員もたまったものではありません。
