子どもと教育を守る

一斉学力テスト問題 詳細

2007.07.25

足立区の「一斉学力テスト」不正問題と当面のとりくみについて

1.事実経過

     (1)7月7日夜、東京都足立区教育委員会は昨年4月に実施した足立区の
           「一斉学力テスト」におい て、区内小学校で不正があったことを記者会見で発表した。
     (2)発表された内容は以下の三点である。
           1)障害のある子どもの答案用紙を保護者の了解を得ないままに集計から除いたこと。
           2) 「一斉学力テスト」の最中に、管理職や教員がテスト中の教室を巡回し、
              間違った回答を見つけると机をたたくなどして教えた。
           3)くり返し前年に出題された問題を練習させた。
     (3)足立区教育委員会は、1)については、校長が保護者の了解を得ないままに
           集計からのぞいたことを認め謝罪し、2)、3)については
           一週間以内に調査すると答えた。
      ●1)について朝日新聞(7月8日付)は、校長は「小5までの内容が身についていない
           部分があるので 外した。保護者への説明は怠ってしまった」と説明したと報じている。
      ●2)について東京新聞(7月8日付)は、「共同通信の取材に対し、6人の教員が
           『校長の指示があった。校長自身も教室にきて、自ら率先して《指差し》をした』
          などと証言した」と報じている。
      ●3)について朝日新聞(7月8日付)は、校長は「テストの記憶をメモにし、
           似たような問題を使って指導した」と説明していると報じている。
     (4) 7月8日、「足立の学校教育を考えるネットワーク」が、足立区内でこの問題について
           宣伝をおこなった。
     (5) 都教組足立支部は7月9日、声明を発表。
     (6) 足立区教育委員会は7月9日、臨時校長会を開き、テスト実施前の学習状況や、
           テストの採点から除外した子どもがいたかどうかなどについて調査の協力を要請した。
           同時に「全国一斉学力テスト」についても同様の調査をおこなうとしている。
     (7) 文部科学省の銭谷事務次官は、「一般論として、学力調査は子どものふつうの学力を
           把握して指導の改善に生かすのだから、対象となる子どもたちを集計の
           対象から除くことは適切とはいえない」と述べた。

2.この問題に対する都教組の基本的見解

     (1) 都教組は、国、都、区市が実施している「一斉学力テスト」と結果(平均正答率)の公表が、
           子ども、教職員、父母、学校、地域を教育とは無縁のし烈な競争に追い立て、
           学校教育を根本から破壊するとともに、子どもたちの心を深く傷つけ、
            その人間的な発達成長に重大な影響をあたえていることを指摘し、
            これまでもくり返しその廃止を強く求めてきた。
     (2) 新自由主義「教育改革」と「一斉学力テスト」が結びつくことによって、
            加速的に学校教育を破壊している。足立区では「一斉学力テスト」の結果などをもとに、
            「成績優秀校」には予算を手厚くするなどの格差化を行政が率先して行ない、
            露骨な成果主義を学校教育に持ち込んでいる。また同時に足立区は、
            学校選択の自由化などの競争主義「教育改革」を他地区にも増して強引にすすめてきた。
            これら足立区の教育施策が、いっそう学校間競争を激化させ、
            何がなんでも平均点を上げなければならないという
            今回の問題を引き起こしたことは誰の目にも明らかである。
     (3) こうした不正をはじめとするモラルハザードは、すでに40年前の
            「学テ」でも全国各地で引き起こされており、さまざまな『残酷物語』を生み出している。
            また、東京都のおこなっている「一斉学力テスト」と結果公表は、
            東京の各地で同様の問題を引き起こしている。これらの事実は、
            こうした問題が一部の特別な学校、管理職、教師の問題ではなく、
           「一斉学力テスト」を梃子に競争と選り分けの「教育改革」をすすめる
           「学力テスト体制」の構造そのものにあることを示している。
     (4) 私たちはあらためて、国、都、区市の「一斉学力テスト」の廃止と
            結果公表の中止を強く求めるとともに、これを梃子に強引にすすめられている
            新自由主義・国家主義「教育改革」を許さず、どの子も大切にする教育の実現のために
            全力を尽くす。

3.当面の方針

     (1)都教組本部

            1.都教組は、都教委に対して都の「一斉学力テスト」・「問題解決能力等調査」の廃止と
               結果公表を止めるよう要請をおこなう。
            2.「全国一斉学力テスト」の結果公表をおこなわないよう文部科学省に求めるとともに、
              都教委に対してその旨を意見としてあげるよう要請する。

            3.『2007子どもと教育パンフ』の作成、および「学力テスト」と「学力テスト体制」について、
               学習会や懇談会で活用できる資料の整理 ⇒「ちょっと変だぞ、東京の『学テ』」、
              新聞都教組・シリーズ「東京都の『一斉学力テスト』を斬る」など
            4.「一斉学力テスト」体制についての全都学習会の設定
            5.地域での学習会、懇談会、教育集会の講師陣を整える
            6.その他、実態調査、必要な資料の収集、検討、まとめなど
     (2) 支部・職場
       1.あらためて地教委に対して、国、都、区市が実施している「一斉学力テスト」の廃止と
         結果公表をおこなわないよう、国、都に意見をあげるよう求める。
       2.区市で独自の「一斉学力テスト」を実施し、「成績」を公表している区市では、
         廃止と結果公表を止めるよう要請する。
       3.この問題での教育懇談会、学習会などを職場や地域で開き、
         問題の本質を学習するとともに、「学力テストをやめよ!」の世論を大きく広げる。

4.その他

     (1)東京教育連絡会をはじめとする子どもと教育を守る地域共同組織、
            教懇、民主団体などとの共同行動、運動をすすめる。
            ●都教委、地教委要請●懇談会、学習会、教育集会●地域宣伝行動
     (2) 労働組合、労連、などに申し入れを行ない、この問題での共同を広げる。

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