【シリーズ企画】憲法 詳細
2006.04.15
8.読み比べてみましょう 「毎年のように改憲をやりたい」と自民改憲派議員 改憲発議のハードルを低く! 第九十六条「改正」
自民党「新憲法草案」は改憲のための国会発議を日本国憲法の「各議院の総議員数の三分の二以上の賛成」から「過半数」に変えています。改憲発議のハードルを低くしたねらいはどこにあるのでしょうか。
■改憲発議のハードルを議員の「三分の二」から「過半数」へと低くしたのは、野党の賛成がなくとも与党だけでも憲法改正の発議ができるようにする、つまり「改正」の後は民主党の賛成がなくともできるようにすることです。
この本当のねらいを解く鍵は、今回まとめられた自民党「新憲法草案」の位置づけにあります。自民党「新憲法草案」はこれまで見てきたように重大な改悪をあちこちにちりばめていますが、なんといってもその中心は第九条二項です。とにもかくにも、まずは九条「改正」をやってしまいたい。天皇元首化、国防の義務や家族のあり方、共同体意識など本当はやりたいことを後回しにしたのが今回の自民党「新憲法草案」です。その証拠に二〇〇四年十一月に発表した「憲法改正草案大綱」には自民党がやりたいことがすべて盛り込まれています。しかし、本当にやりたいことをすべて盛り込んだのでは民主党は賛成しない。そうすれば参議院では三分の二に達せず発議できず、改憲は頓挫する。そこで、民主党も巻き込んだ「改正案」を作るには妥協が必要です。これが「新憲法草案」です。
■過半数にハードルを低くしておけば、与党だけの賛成で改憲発議ができるようになります。最も国民が賛成しそうなタイミング‐たとえば「地下鉄サリン事件」や「9・11テロ事件」などの社会不安が広がっているときなど‐をねらって発議することができるようにすること、ここに第九六条「改正」の本当のねらいがあります。ある自民党の改憲派の議員は「毎年のように改憲をやりたい」と言いました。連続的に改憲をおこなっていくことを可能にする制度が自民党「新憲法草案」第九六条にほかなりません。
【写真】4.6国民投票法阻止昼デモ
| 新憲法草案 第九章 改正 第九六条 この憲法の改正は、衆議院または参議院の議員の発議に基づき、各議院の総議員の過半数の賛成で国会が議決し、国民に提案してその承認を経なければならない。この承認には、特別の国民投票において、その過半数の賛成を必要とする。 |
| 日本国憲法 第九章 改正 第九六条 この憲法の改正は、各議院の総議員の三分の二以上の賛成で、国会が、これを発議し、国民に提案してその承認を経なければならない。この承認には、特別の国民投票または国会の定める選挙の際行はれる投票において、その過半数の賛成を必要とする。 |
