【シリーズ企画】憲法 詳細
2006.04.25
9.国民投票法(1) 国民の意見を聞くためでなく、憲法改悪のための国民投票法案
■国民投票法とは?
シリーズ(7)で述べたように、憲法を変えるには、ほかの法律とちがって二段階の特別な手続きを踏まなければなりません(日本国憲法第九六条)。第一段階は衆議院・参議院それぞれの総議員の三分の二以上が賛成する改憲案を発議(提案)しなければなりません。第二段階はこの改正案を国民投票にかけて国民の過半数の賛成を得ることです。この国民投票の具体的内容を定めるのが国民投票法です。
【写真】憲法改悪反対のさまざまなとりくみが報告されました
■いつも改憲の動きと一緒に登場
"憲法には改憲の手続きとして国民投票が必要だと書いてある。それなのに国民投票をどうやるのか、それを定めた法律がないのは国会の立法義務に反する。速やかに国民投票法を作るべきだ"これが国民投票法案の成立をめざす勢力の言い分です。
一見もっともな言い分のように聞こえます。しかし、これまでも国民投票法を制定する動きがあったのは憲法九条を変えるなどの改憲の動きが強まったときに限られていること、そしてその都度、国民の反対運動の高まりの中でこうした動きは立ち消えになってきたことに見られるように、国民投票法は国民の意見をよく聞くためではなく、ひたすら憲法を変えるために改憲勢力にあれこれ都合のよい内容を盛り込んだ法律だということ、これがこの法案の本質です。
■今回も九条を変えるために
今回も改憲勢力は自衛軍を持って「戦争する国」になるのだと憲法「改正」を叫び立て、それに必要な国民投票法の制定をめざしています。しかし、改憲勢力のマスコミや権力を使った大宣伝のもとでも、国民の多数は憲法九条を変えることに反対の意思を表しています。これまでもそうであったように、国民の声は「九条改悪のための国民投票法はいらない」ということではないでしょうか。だいたい、日本国憲法第九九条は「天皇または摂政及び国務大臣、国会議員、裁判官その他の公務員は、この憲法を尊重し養護する義務を負う」と述べています。憲法の擁護義務を負っている国会議員で構成される国会が、国民多数の声を無視して九条二項を変えて「軍隊」を持つなど、日本国憲法の根幹を否定するような改憲発議をすること自体が憲法違反です。
次回からは具体的に自民党などが準備している「国民投票法案」の内容についていくつかの切り口から明らかにしていくことにします。
