声明・要請・申し入れ 詳細
2009.05.15
夏季一時金凍結勧告に対する都教組声明
2009年5月15日
声 明
東京都教職員組合
執行委員会
5月15日、東京都人事委員会は、今年度の夏季一時金を0.2月分(再任用0.1月分)凍結し、削減支給する勧告を行った。これは、5月1日の人事院勧告に追随するもので、勧告制度のルールを根本から崩す暴挙である。
人事院が異例の特別調査や勧告を実施した背景には、選挙に公務員バッシングを利用しようとする、与党「国家公務員給与に関するプロジェクトチーム」の議員立法の動きがあった。こうした政治的圧力に屈し、公務員の労働基本権制約の代償機関としての役割と責任を放棄し、これまでの勧告制度の信頼を損なう前代未聞の勧告を行ったのである。勧告に基づき、5月8日に閣議決定、15日には給与法案が提出されるに至り、さらに、総務省は各地方公共団体に対して、「国の取扱いを基本として対応」することを要請している。これを受けて、都人事委員会も同様の勧告を行ったのである。
都人事委員会は、人事院の行った特別調査や過去20年の夏季一時金決定状況から、都内の民間企業も同様の状況にあると「推定」されるとしている。しかし、人事院が4月に行った特別調査で、一時金が決定していたのは、回答を寄せた2017社のうちわずか340社にすぎない。人事院自体が「精確に把握できない」「全体の改定状況は変動する可能性がある」と認めているデータを根拠に、自らの調査も行わず都人事委員会が同様の勧告を行ったことは、結論先にありきで、政治的圧力に屈したものであり、公正・中立の第三者機関としての責任を放棄したと言わざるを得ない。さらに、「民間や国に比して業績反映の度合いがいまだ小さい状況」などと「すべて期末手当から」削減するなどは、本来なら秋の本勧告で論ずべき内容まで「暫定措置」に盛り込むものであり、絶対に許されない。
夏季一時金凍結の勧告は、春闘の最中にある中小民間労働者のたたかいにも冷水を浴びせ、不況や雇用不安にあえぐ労働者を切り捨て、景気対策にも矛盾するものであり、断じて容認できない。勧告のもたらす影響は甚大で、公務と民間の「賃下げの悪循環」はさらなる消費不況を招き、経済、雇用、国民生活に新たな打撃となる。深刻な貧困問題は賃上げでこそ改善される。
都教組は、都人事委員会に対し、今回の勧告について厳重に抗議する。
都教組は、都労連の闘争方針に基づき、都議会の介入を排し、一方的実施を断固許さず、労使交渉による自主決着を図る。また、民間の労働者とも連帯し、賃金引上げによって経済・雇用・国民生活を改善するたたかいをすすめていく。そのたたかいは、貧困と格差に苦しむ子どもやその家族、労働者、都民の生活改善につながっていくはずである。OECDの調査でも、日本の子どもの貧困率は高まり、教材費や入学金、授業料がなくて等しく教育を受ける権利を剥奪されている子、食費にも事欠き、健康や成長さえ脅かされている子が増え、子どもを育み守るべき家庭が破壊されているのである。すべての労働者、国民の生活改善のたたかいに位置づけて、この夏季一時金凍結、削減支給の攻撃を跳ね返そう。
