声明・要請・申し入れ 詳細
2010.01.12
全国一斉学力テスト実施要領の公表にあたっての都教組教文部長談話
全国一斉学力テストの実施要領の公表にあたり
あらためてその廃止を求め全力をつくす(談)
2010年1月12日
東京都教職員組合 教文部長 松村 昌則
文部科学省は、昨年末の12月28日、2010年度における「全国一斉学力テスト」(=「全国学力・学習状況調査」)の実施要領を公表するとともに、同日、都道府県教育委員会などに実施要領を通知しました。今回の実施要領では、すべての小学校6年生、中学校3年生を対象とする「悉皆調査」として行われてきたものを、30%程度の「抽出調査」に切り替え、比較精度が落ちる市町村ごとの結果は文科省で集計しないこととしました。都教組は、「全国一斉学力テスト」の実施とその結果の公表が子ども・学校・地域間の競争をあおり、子どもの発達や学校教育に取り返しのつかない歪みをつくり出すことを指摘し、その実施の中止と廃止を強く求めてきました。文科省が「悉皆調査」から「抽出調査」への変更を余儀なくされたのは、父母・国民の反対の世論と私たちの幅広い運動の成果です。
しかし、実施要領では、文科省が?学校に児童生徒の結果を返却し、各市町村教委には管内抽出対象校の児童生徒の結果を提供する。?都道府県教委には全国と都道府県別データのみ提供する。?都道府県教委が管内の市町村・学校の結果を知りたければ、市町村教委に協力を要請して提供を受けなければならないとしています。 実施要領で序列化や過度の競争につながらないようにすることや情報公開条例などとの関係などの「配慮事項」を示しながらも、市町村教委や学校が独自に集計したデータを公表することを認めている点、都道府県が市町村・学校別データを集めて公表することも明確には禁じていない点は重大な問題です。
さらに、「抽出対象校以外でも学校設置者の判断で参加可能」とする仕組みが残されました。文部科学省は、「事前の調査」でも、「抽出対象外になった場合に参加を希望するか」と地教委に「希望の押し付け」を迫っており、限りなく「悉皆調査」に近い形での実施にこだわる対応を依然として続けていることも許せません。しかも、「希望利用」とした場合には、「採点、集計等は、設置者が自らの責任と費用負担で行う」とされており、「調査実施」を予算面からも地方に「押し付け」ていることにもなります。学校設置者の予算確保ができなければその作業が直接学校現場におしつけられることにも学校教育に多大な悪影響を及ぼすことも明らかです。
都道府県教育委員会や区市町村教育委員会によって、「抽出対象外でも参加」が押しつけられるようなことはあってはありません。事業仕分けで「6%抽出で十分」という議論も出されたのは、全国一斉学力テストの実施と結果公表が子ども、学校、地域間の競い合いが横行する教育を促進する役割を果たしてきたからです。文部科学省がつくりだした、「学力テスト体制」は、ただちにやめるべきです。
都教組は、ひきつづき全国一斉学力テストの廃止を求めるとともに、都教委や区市町村教委が抽出対象校以外への希望押しつけをやめることや結果公表を行わないことなど、点数中心の学校教育を許さず、改訂学習指導要領の学校と子どもたちへの押し付け反対、抜本見直しを求める運動と結んで、30人学級の実現など教育条件整備を求めます。
構造改革による「貧困と格差」拡大が子どもと教育に多大な影響をあたえている今日、どの子も大切にされる教育施策の実現をめざしてすべての保護者・国民・教職員とともに全力で奮闘します。
