教育研究情報

【シリーズ企画】こどもの輝き 詳細

2006.10.20

3.金田一清子さんのさわやか実践(3)

 子どもたちは、2年生なりに、いろいろな願いをもっているようです。でも、その願いを詩に書くときは、抽象的な考えだけを書いても、読む人に感動を伝えるのはむずかしいものです。でも、「その子の現実に結びついているか」「どこに心を動かされたのか」の柱がしっかりと、おさえられていれば、詩として成り立つのではないでしょうか。
 アフガン戦争、そしてイラク戦争、核実験。子どもたちの心に戦争の陰がしのび寄る現実。恐ろしい世の中になってきました。今を生きる日本の2年生にとっても、戦争は身近なものになってきています。
 田原君は、「自分の願い」をテーマに詩に向かったとき、次のような詩を書いてきました。

 

  ぼくのねがい
   二年   田原 光
 ぼくは、せんそうに
 あったときがありません
 でも、せんそうの
 おそろしさは知っています。
 だから、せんそうのない
 せかいがよかったです。
 せんそうがあったら
 食べものがなくて
 おなかがすいていると
 思います。
 テレビで見た子どもの体が
 みんなやせていて、
 目がかなしそうでした。
 だから、せんそうだけは
 やりたくないです。
 人ごろしも同じです。
 せんそうや人ごろしの
 ニュースを聞くと、
 ぼくの心は
 まっくらになって、
 その国の子どもたちが
 しんぱいになります。

 

 この詩に出会った時、作者の田原くんのお母さんが言いました。
 「先生、この詩を読んで実は、ほっとしているのです。」「えっ、どうしてですか?」と問うと、次のような話をしてくれました。
 田原君は、サッカー少年でスポーツマン。明るくて友達もいっぱいなのだそうです。
 放課後は、外遊びが一通りすむと、みんなでゲームをするのだそうです。ところが、そのゲームと言えば、闘い、殺し合いの内容ばかり。このままゲームを続けていったなら、どんな人間に育ってしまうのだろう......と心配ばかりしていたというのです。
 だから、できるだけ、テレビのニュース番組を一緒に見るようにして、戦争のニュースなどを見たときには、できるだけ、今どんなことが世の中でおきているのかを、くわしく話すようにしてきたと言うのです。「ぼくのねがい」の詩で、戦争のことをしっかりと、見つめてくれていたのでほっと胸をなでおろしたと言うのです。そのお話をお聞きして心強い限りです。この田原くんのお母さんのように子どもたちと一緒に真実を、そして真実を語り合うことがいよいよ大切な世の中になってきました。

 

ゆめの公園
  二年 田中 けいた
 子どもがあんしんして
 あそべる公園がほしい。
 のりものとかがある
 子どもだけの公園。
 広くてアスレチックがある
 子どもが
 とっても楽しくあそべる
 ゆうえんちみたいな公園。 知らない人とも
 なかよくできてしあわせな
 気もちになれる公園。
 もしこんな公園があったら
 ぼくは学校から帰ってから
 ずうっとあそぶな。

 

 「安心して遊べる公園」、これが子どもたちの現実の願い、夢なのです。子どもたちが願うつつましやかな「ゆめの公園」「生活環境」を大人の手で造ってあげたいですね。

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