【シリーズ企画】子どもとともに 詳細
2009.03.25
子どもとともに...教育実践シリーズ(最終回) 自前の課程でこそ子どもは育つ
ひとこと注意したり、「こうしたら?」と声をかけただけで、「うるせんだおめえは」「だまれてめえ」などと何人かが教室を出ていき、他の教室の幾人かずつもこれに追従する―「本校始まって以来の・・・」という「荒れ」た状況から引き継いだ、5年生3学級の出発の日々でした。
多くの教職員の支えや励ましもあって、彼らはその後、運動会(本校久々の組体操で大活躍)、学芸会、「6年生を送る会」、「1年生を迎える会」など、主として行事を通じてがんばりを見せ、褒められたり見直されたりしながら、成長を再開しました。
しかしどの学級も学習面はまだまだで、まとまった学習や「(高学年)らしい学習」は未だ手さぐり状態でした。
重点的な学習や手応えある学びについての見通しが見えてくるのは、6年生の前―中盤になってからのことです。
一番の苦手を最後の本気で
私の組では、「みんなも私も一番苦手で、これまで一度も本気でやったことない作文に挑戦してみない?楽しくアッという間に力がつくようにがんばるよ」と動き出せたのが6年の2学期でした。
(1)まず、文章・作品等に接することが好きになり、楽しくなるよう、スポーツ、文化、芸能、文学等あらゆる分野の作品の「音読」や「視写」・(パソコン含む)調べ学習などを選択も取り入れてすすめ、(2)誰もが親しんだ低・中学年期の作品などの活用・多用、(3)会話文(「 」)だけの連続で情景が表せ、作文が成り立つことなどを経験する・・・など短期の「集中講座」です。
「作文て、いいもんだな」
秋のある日、K君(学年No.2の「大物」君)が『キャッチボール』という作文を書いてきました。「秀才」のO君をコーチして上達させた経験や喜びを書いたものでした。
「おれが一からおしえてまぁかっこにはなってきた」
「続ければぜったいいいピッチャーになれると思う」
暴力・暴言がもとで3年生時に少年野球をクビになり、学校では毎日のように事を起こしてきた彼が「水を得た」瞬間で、学級通信を通じて、級友たち・親たちからも賞賛の声が集まってきました。
久しく一行も文を書かなかった彼が、「先生、作文でいいもんだな」と呟きました。
私は、教育課程というものは、子どもの実態、感情・願い、進歩のきっかけ、学びの手順や方法がわかる担任(学級、教科)こそが手作りする(できる)もので、二つとないものだ、と思うのです。
指導要領改定・移行、「OJT」強行の今、子どもたちが教えてくれているのはそのことではないでしょうか。
最後に、K君の卒業文集と卒業式のよびかけの一節を。
「先生、オレをみすてないでくれて本当によかった」
(小学校教諭)
*教育実践シリーズ「子どもとともに」は今号で終了します。ご協力、ご愛読いただいた皆さんへ心より感謝申し上げます。
