生活と権利を守る

【シリーズ企画】年金問題 詳細

2007.11.20

そこが知りたい シリーズ10 年金問題

Q9 今の年金制度はとても不安 これからどうなるの?(1)
公的年金制度のなし崩しの変質・改憲
押し返す国民の運動・世論のせめぎあい

公的年金の目的 老後の所得保障の柱(社会保障)
〈現状〉国民年金(四十年加入満額)の水準は、ある時期まで「最低限度の文化的水準」保障の生活保護基準にリンクしていましたが、一九七九年ころより下回るようになりました。
 生活保護の「生活扶助」(そのほかに住宅扶助、医療扶助などあり)は、国民の平均消費生活費用の六割強の水準で設定されており、二〇〇五年度価格で月 7・9万円。‐‐ところが、国民年金は満額でも月6・6万円、実際の受給平均は月4・7万円にすぎません。‐‐生活保護水準さえ下回る国民年金、これで一国の社会保障といえるでしょうか。
〈政府与党〉「生活保護の額の方が国民年金より高いんだから、未納率があがるわけだよ」「もっと生活保護費を抑制しないとね」この本末転倒発言は、「三位一体改革」の下での片山自民党参院幹事長(当時・05・11・9朝日)のもの。生活保護水準を下回る年金制度の改革をはかるのではなく、逆に生活保障制度の抜本的改悪の本音をあけすけに語ったものです。そして、「老齢加算」「母子加算」廃止の先鞭をつけ、厚労省の下では秘かに「生活扶助基準に関する検討」が進められています。
〈国民の運動と世論〉実施を目前に異例の「凍結」「見直し」があいついでいます。後期高齢者医療制度しかり、母子家庭の児童扶助手当てしかり。抜本的見直しではなく、小手先の「修正」にすぎませんが、参院選での与党大敗北という国民の怒りが悪政をゆり動かしています。働いても働いても「ワーキングプア」「ネットカフェ難民」。生活保護にも届かぬ「最賃制」とは何たることだ。‐‐その引上げ改善が大きな流れに。

公的年金の運営・国費
〈現状〉年金の保険料はすべて年金のためだけに使う。これが常識であり、大原則でした。変えられたのは、一九九七年の財政構造改革法。
 このもとで、グリーンピアやテニスコートなど、社会保険庁のムダ使いの数々が発覚。社会保険庁のムダ使いに弁解の余地はなく、また社会保険庁の肩を持つわけではありませんが、当時の大蔵省・厚生省の合意、閣議決定を経て政府与党のゴーサイン(財政構造改革法)で、それまで禁止されていた保険料の流用が解禁になり、ムダ使いの端緒をひらいたのですから、国家ぐるみの犯罪というべきものです。
 国民の批判を受けて、政府与党はどうしたか。すべての責任を社会保険庁に押しつけてトカゲのしっぽ切り。そして、火事場泥棒的に、こっそりと年金事務費に限って流用できるしくみに恒常化したのです。
〈国民の運動と世論〉事務費名目に、年間二〇〇〇億円とも三〇〇〇億円ともいわれる年金保険料の流用。これでは民間の保険会社と同じではないか。
 「年金保険料はすべて年金のために使え」「一九九七年以前の姿に戻せ」の声は「年金保険料流用禁止」法案となって参院本会議通過。

ページトップへ