生活と権利を守る

【シリーズ企画】年金問題 詳細

2007.08.20

そこが知りたい シリーズ4 年金問題

Q3‐2・東京都(共済組合)採用前の、厚生年金や国民年金の加入歴はどうでしょうか。
 実は、一九九七(H4)年の基礎年金番号導入にあたって、事前調査がありました。過去に交付された年金手帳をお持ちの方は、その年金番号を報告し、もって過去に加入していた厚生年金や国民年金と現在の共済加入(共済年金)とを同一の基礎年金番号に一本化する作業です。当時この事前調査にこたえた方は、ひとまず安心。過去の厚生年金や国民年金の記録がきちんと管理されているということになります。
 もう一つの確認方法。社会保険庁は、二〇〇四(H16)年3月から、将来の年金の請求手続きを円滑にするために、年金加入歴を記載した「年金加入記録」を58歳になった2ヵ月後に郵送で通知していますから、この「年金加入記録」でモレがないかどうかを確認できます。ただし、共済年金のみ加入の場合は、原則として通知は届きません。社会保険庁が共済年金の加入記録情報をすべて把握していないためです。ですから、社会保険庁から送られてくる「記録」は、あくまでも厚生年金・国民年金に限ってのものです。

Q3‐3・心配になってきました。昔の年金手帳はどこへいったやら行方不明。ですから、一九九七年の事前調査でも、特段の報告をしなかったように思うのですが......。
 現在の基礎年金番号に一本化されないまま「宙に浮いた年金」「消えた年金」扱いになっている恐れがあります。できるだけ早く、住居地を管轄するもよりの社会保険事務所に相談してみましょう。
 年金手帳を紛失していても、いつごろ、どこで、どういう名前の会社に勤めていたか(あるいは、いつごろ国民年金に加入していたか)、およそのことがわかれば調べてもらえますし、記録が残っていれば、基礎年金番号を統一した年金手帳の再交付を受けられるでしょう。問題は、記録がない場合です。この場合は社会保険事務所にご相談ください。
 なお、原則として公的年金加入歴が25年以上あり(共済・厚生年金加入歴だけなら、当面20年以上)、60歳以上であると、受給資格が発生します。厚生年金と共済年金の統合案が日程にのぼりつつありますが、今のところ、60歳に達しても、共済年金は在職中は権利を有するものの保留扱いとなり、定年退職と同時に支給開始になるのに対して、過去の厚生年金は、60歳に達すると請求可、即支給(誕生日の翌月から)となりますので、手続きは早めにしたほうがよいでしょう。また、女性の厚生年金に限っては、60歳代前半の繰り延べスケジュールが、男性の厚生年金や共済年金と異なって「5年遅れ」でスタートしていますから、やや有利な扱いとなります。

過去に受けた一時金
Q3‐4・過去に一旦やめるとき一時金を受けとり、その後東京都に採用になった場合の前歴はどうなるのでしょうか。
 この一時金の制度は一九八〇(S55)年一月以降廃止になったものですが、女性の結婚(出産)退職が一般的であった時代背景のもとで、退職後の国民年金加入も任意であったため(その後一九八六(S61)年全員加入の基礎年金制度となる)、退職までの共済(厚生)年金がムダ(掛け捨て)になる。そこで、女性の退職に限って、将来の年金支給に備えて、その原資を残すか、それとも原資控除を受けないで退職一時金を全額受給するかの選択肢がありました。
 ですから、一九七九(S54)年12月以前の「前歴のある方」でなおかつ女性で、退職一時金を受けたことのある方の問題です。(退職一時金を受けず、原資を残された方は、当然通算されます。)

 ・厚生年金が現在の共済加入期間と通算しても20年未満の人
 一時金を受け取った期間は、受給権発生のための「原則25年以上」の期間に算入しますが、年金額には反映しません。(カラ期間)。

 ・共済加入期間、20年以上の人
 過去に受け取った一時金に、共済年金支給時までの利子を加えた金額を返還することになりますから、ある程度の金額になります。返還は、年金支給額からその1/2を限度に返還が完了するまで順次控除する方法で、長い場合で数年間続くこともあります(元利合計で返還する一時金が数百万円になるときなど)。しかし、年金額計算の際に退職一時金を受けた期間も合算されることになりますから、その効果は、返還のわずか数年で返還によるデメリットをこえて現れてきます。

Q3‐5・採用前の学生時代の国民年金加入はどうなっているでしょうか。
 一九九七(H9)年1月基礎年金番号導入以後の採用者は、基本的に採用時に、それまでにお持ちの基礎年金番号を含めて、手続きしています。したがって、記録モレはないと考えていいと思われます。
 問題は、一九九六(H8)年12月以前採用者です。一九九一(H3)年3月以前の任意加入だった期間も含めて、20歳以上の学生が強制加入となった一九九一(H3)年4月以降も、職員本人は自覚していなくてもご両親が手続きしていた‐‐こういうケースも少なくないでしょう。当時の国民年金手帳を大切に保管していてください。また、その年金手帳と、今現在の基礎年金番号は同一でしょうか。同じであればひとまず安心。ちがっていれば「宙に浮いている」ことになりますから、早めに一本化しましょう。

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