生活と権利を守る

【シリーズ企画】年金問題 詳細

2007.09.15

そこが知りたい シリーズ6 年金問題

Q6−1.九月から、また共済(長期)掛金があがりましたが、どうしてですか?
(1)二〇〇四年の年金法「改正」は大改悪でしたが、これはその一つです。なにしろ十三〜十四年に及ぶ掛金の連続引上げを「百年安心」と称して国民に押し付けたのですから。この連続引上げ計画にもとづくものです。(左図参照)
(2)定率減税全廃をはじめとした所得税・住民税の大増税。医療も介護も......。給料が増えないばかりか、減るもとでの負担増ですから「手取り」は確実に減。国民のくらしも日本経済も悲鳴を上げています。加えて、国民年金で毎年「三三六〇円」アップ、厚生年金の毎年「0・177%」アップはサラリーマンの平均(収入五七〇万円)でおよそ一万円になりますが、十三年(十四年)連続引上げ計画のまだ三年目、四年目にすぎません。
(3)財産差し押さえや厳しい取立てにもかかわらず、国民年金納付率は一向に改善しません。
 二〇〇六年度の納付率は66・3%で目標の74・5%(二〇〇七年度目標80%)に遠く及ばず、二〇〇五年の納付率は(67・1%)さえも下回りました。
 所得に関係なく月額一万四一〇〇円という「払いたくても払えない」保険料の水準や、二十五年以上納めないと一円も受給できない厳しい条件など、制度そのものを見直すことは急務です。制度のあり方に目を向けず、「納付率アップ」徴収強化一本ヤリ・国民無視の手法が大きな壁にぶちあたっています。
(4)連続掛金引上げで、年金給付はそれなりに増えたでしょうか。否、まったく逆に給付はダウンしました。二〇〇四年を起点にとれば、国民年金保険料は 6%アップ(月一万三三〇〇円→一万四一〇〇円)給付は1・5%ダウン(四〇年加入で年八〇万四二〇〇円→七九万二一〇〇円)厚生年金掛金は0・71%アップ、給付は1・5%ダウン。
 これは、まだ「序の口」にすぎません。掛金は二〇一七年まで連続引上げる一方で給付は二〇二三年ごろまで「マクロ経済スライド」で抑制し続ける‐‐。「百年安心」をうたった二〇〇四年法「改正」の、これが実像です。
・「老後の所得保障の柱(社会保障)」といいながら、四十年加入の満額国民年金でも「最低限度の文化的水準」を保障するという生活保護基準さえ下回るとはどういうことでしょうか。
・二〇〇六年の保険料水準と給付水準を試算してみると、国民年金では「七十三歳の途中」で四〇年間の保険料と六五歳からの給付のバランスが取れるのに対して、共済(厚生)年金では「七十七歳」ぐらいとなります。これは、あくまでも二〇〇六年の断面です。保険料は二〇一七年まで連続引上げ、その一方で給付は二〇二三年まで抑制ということですから、ゆくゆくは平均年齢まで生きていたとしても支払った掛金に届かないという、まったく不合理な、国民をないがしろにした内容‐‐これも、二〇〇四年法「改正」の正体です。
(5)先の参院選は、「消えた年金」問題にみられるように、公的年金に対する国の管理能力や国の重大な責任・責務を問うたのであり、そればかりでなく、制度のあり方そのものの見直しに背を向ける政府・与党に国民はきびしい審判を下したものではなかったでしょうか。

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