【シリーズ企画】年金問題 詳細
2007.12.05
そこが知りたい シリーズ最終回 年金問題
Q9 今の年金制度はとても不安 これからどうなるの?(2)
公的年金の給付・・物価、国民生活の向上に応じて改定し、実質価値を維持
〈現状〉年金受給者の年金水準は、そのままでは後退するので、毎年物価スライド、五年ごとの賃金スライドを実施することによって改善がはかられ、現役労働者の生活水準との均衡がとられてきましたが、これは一九六〇年代後半からの革新自治体運動や、とくに一九七三年の国民春闘によって、国民が手にしてきたものです。憲法の精神が、国民・労働者のたたかいによって具現化した一つの実例です。
ところが、一九九四年と二〇〇〇年の改悪を通じて、60歳代前半の支給を全廃したばかりか(60歳から65歳へ支給繰り延べが進行中)、二〇〇〇年・二〇〇四年の連続改悪で、現役の労働者(将来の受給者)は、賃金・物価スライドもまともにしない、「可処分所得スライド・物価スライド」を「調整率(0.9)で値切った「マクロ経済スライド」しかしないことに。その一方で、年金受給者は「可処分所得スライド」はしない、わずかに残っていた「物価スライド」さえしない。減額や目減りはあっても、増えそうもない。こんな年金の現状に誰が期待と未来を託せるでしょうか。
〈国民の運動と世論〉・十四年連続掛金アップと給付は改善される見込みはなく、抑制・削減の悪循環。国民年金の滞納者の高止まりは制度存亡の危機に。・さすがの政府・与党も「一部の国民の不心得」に責任転嫁はできず、1/3にとどめている国庫負担の引上げをこれ以上サボタージュすることはできなくなっています。1/2に増やすのは当然のこと。さらに前へ進むのかどうか。財源は消費税か、それとも逆立ち税制やムダ使いにメスを入れるのか。「消費税ノー」の参院選の審判を背景に「受給権発生までに二十五年加入が必要」という諸外国には例のない、過酷な条件の短縮をと、あの経済財政諮問会議ですら検討開始。
「悪法も法なり」と言いますが、今起こっていることは、施行目的あるいは施行中の「悪法」を変えようという国民の怒りです。政府・与党は、この怒りの前に、凍結・見直しを言わざるを得なくなってはいますが、根本のところの「構造改革」路線を堅持したままの凍結・見直し表明ですから、目くらまし、小手先対応に終始するほかありません。貧困と格差の「構造改革」か、それとも「もう一つの日本」か‐‐国民の新しい模索が始まっている二〇〇七年です。
今回でこのシリーズは、いったん終了します。
しかし、年金問題は解決したわけではありません。このシリーズを参考に学習し、安心できる年金制度になるよう運動していきましょう。
