【シリーズ企画】職場に生かす労安法 詳細
2009.03.15
職場に生かす労安法(12)
学校職場に精神系疾患が急増しているもと、職場の労安体制づくりのとりくみで、その原因の除去が少しでも前進することが求められています。あらためて、私たちの仕事の内容と「心の病」との関係を考えて見ましょう。
長時間労働が「心の病」を増やす
「心の病」の大きな原因として指摘されているのは、長時間労働と、それに伴うストレスの増加、そして、睡眠時間の減少です。月の残業時間が80時間を超えると、疲労やストレスを感じない労働者はほとんどいなくなることから、残業時間増と精神疾患発症のメカニズムは重要です。
厚労省が日本産業精神保健学会に委託した「精神疾患発症と長時間残業との因果関係に関する研究」の「報告書」(04年3月)によると、「長時間残業による睡眠不足が精神疾患発症に関連があることは疑う余地もなく、特に長時間残業が100時間を超えると、精神疾患の発症が早まる」と結論づけています。
教員の残業は文科省調査でも平均で60時間を超え、100時間を超える異常な残業までもが多くの職場で常態化しています。残業をどう縮減するかは緊急の課題です。
過重労働が「心の病」を増やす
労働時間とともに、労働の質を問い直すことも大切です。仕事の負担感が強いストレスを生み、精神疾患を発症するような労働を「過重労働」といいます。一般に、「仕事の要求度が高く」「仕事の裁量度が低く」「仕事の支援度が低い」仕事ほど、過重負担が大きくなるといわれています。
「要求度が高い」とは、「非常にたくさんの仕事」「時間内に処理しきれない仕事」「休む暇なく働かないと終わらない仕事」等をいいます。「裁量度」とは、「自分のペースで仕事ができる」「自分で仕事の順序ややり方を決められる」「仕事の方針に自分の意見を反映できる」などの条件であり、「支援度」とは、「管理職や同僚と気軽に話ができ」、彼らが「困った時の頼れる存在であり」「個人的な相談にものってくれる」などの条件です。「裁量度が低い」「支援度が低い」とは、これらと逆の状態におかれているわけです。
「要求度が高い」「裁量度が低い」「支援度が低い」はそれぞれ一つひとつの項目がうつ病の「小さな原因」となりますが、二つ三つと重なると、相乗的にうつ病の「大きな原因」になります。
学校職場は、この10年ほどでこの「高要求、低裁量、低支援」に特徴づけられる典型職場に変容してきたのではないでしょうか。あらためて、要求度、裁量度、支援度の観点から、職場の仕事の質を見直すことが求められています。
