【シリーズ企画】職場に生かす労安法 詳細
2009.03.25
職場に生かす労安法(13)最終回
学校職場とメンタルヘルス
「教育構造改革」と言われたこの10年、学校教職員の働き方は大きく変化し、職場のストレスは悪化の一途をたどっています。過労死ラインを超える長時間過密労働が常態化し、持ち帰り仕事や休日出勤しても処理しきれない仕事量に追われるなど、きわめて「要求度」の高い仕事になっています。しかも、管理的に運営される仕事内容が増え、期限に追われ、自分の考えと仕事内容の乖離がすすむなど、仕事の「裁量度」は低下しています。自己申告・業績評価と自己責任が職場の人間関係で支配的になれば、職場の「支援度」も低下します。
こうして教職員のストレス要因は増大し、精神疾患の発症がどの職場にも日常的になっています。それは、本人の健康被害の面だけでなく、子どもと教育、学校の教育実践にとっても大きな課題です。
うつ病は特別の人がかかる特異な病気ではなく、きわめてありふれた、誰でもかかりうる病気です。そして、社会全体ではその課題解決に向けて、労安体制の強化など、取り組みがすすみはじめています。しかし、学校現場での対策と体制が、大きく立ち遅れていることが問題なのです。
管理強化とパワーハラスメント
学校現場でうつ病のストレス疾患が急増しているのには、今日の学校現場の固有の状況があります。管理強化が生んだストレス要因の増大はとりわけ重要です。とくに、管理強化の中心的役割を担わされている管理職の問題は重要です。
多くの学校現場から、管理職によるパワーハラスメントの訴えが急増しています。また、管理職のパワハラが主要因と見られる教職員の休職も増えています。パワハラ問題は、メンタルヘルスの課題としても、避けて通れない重要課題です。
パワハラとは、「勤労者の尊厳を傷つけ、屈辱的で劣悪な労働条件をつくる目的で行われる、あるいはその効果をもつモラル・ハラスメントの行為」を、職務上の権力を有する人物が、繰り返し勤労者に対して行うことです。
社会的にもパワハラ問題は職場の労働安全衛生に関わる重要なテーマとして認識され、法的措置を含む対策が急がれています。しかし、事業者側として責任を果たすべき都教委・地教委には、いまだにパワハラの定義もなく、その存在自体を認めていないというきわめて立ち遅れた現実があります。
「管理職のパワハラ」というストレス要因を取り除くしくみを持たないのは、都の人事政策の大きな欠陥です。それがパワハラをいっそう野放しにし、管理統制強化の有力な武器となって全都の学校職場に広がっているのです。法規制が整備されていない現状だからこそ、職場からハラスメント規制の声を大きく広げることが大切です。
