【シリーズ企画】職場に生かす労安法 詳細
2008.06.25
職場に生かす労安法(1)
労安法(労働安全衛生法)とは?
学校職場の長時間過重労働が常態化しています。明らかに過労死と思われる突然死や過労による緊急入院が後を絶ちません。ストレスによる精神疾患での休職や早期退職も増加の一途です。
教職員が安心して働きつづけるためにも、また、学校教育が安定して存立するためにも緊急に解決が求められる課題です。そもそも、仕事が原因で心身の健康をむしばまれたり、仕事を続けられなくなることなど、人がはたらく環境として、決してあってはならないことです。
「労働安全衛生法」(以下「労安法」)は「職場における労働者の安全と健康を確保するとともに、快適な職場環境の形成を促進する」(第1条)ことを、人が働くすべての職場で実現するために、「労働基準法」の安全衛生にかかわる部分を独立させて制定された法律なのです。
事業者(教育委員会)の責務
労安法は労働者を使用する事業者に対して、労働災害防止の最低基準を守らせるだけでなく、「快適な職場環境の実現と労働条件の改善を通じ、労働者の安全と健康を確保」することを義務付けています。学校職場に当てはめていえば、「労安法」は、事業者である教育委員会に対して、雇用している教職員(労働者)の安全と健康を確保するために、学校に「快適な職場環境と労働条件の改善」を実現することを義務付けているのです。
遅れてきた「学校」
「労安法」が制定されたのは一九七二年でした。制定と同時に学校職場にも当然適用されるべきでしたが、当時の文部省は、学校保健法の適用などを理由に長い間これを怠り、「学校にも労安法が適用される」ことを公式に認めたのは一九九五年のことでした。
しかも、事業所で設置すべき「衛生管理者」「安全衛生委員会」「産業医」等は、「50人以上の事業所」で必置とされたため、ほとんどの幼・小・中学校が労安体制の蚊帳の外に置かれてきたのが現実でした。多くが50人以上の教職員をかかえる都立学校では、労安体制整備のための諸規則が策定され、職場の体制も整いはじめてきたのと対照的です。
労安体制の整備は急務
二〇〇五年、労働安全衛生法の一部が改正されました。残業を含む労働時間の適正な把握と長時間勤務労働者への医師の面接指導がすべての事業者に義務付けられ、五〇人以下の事業所にも、今年(〇八年)四月一日から適用されたのです。法律に基づく体制整備が緊急に求められているのですが、多くの区市町村教育委員会では未だに手付かずです。
「労安法」の活用で、学校の忙しさは変わるのでしょうか? 快適な職場づくりのために何ができるのでしょうか?
次回からこのシリーズで、東京のすべての学校職場に労安法を生かすための具体的な内容を紹介していきます。
