生活と権利を守る

【シリーズ企画】職場に生かす労安法 詳細

2008.07.05

職場に生かす労安法(2)

労安法は何を守る?
 前回は、労安法が学校職場で働く人々の「安全と健康を確保」し、「快適な職場環境」を実現するための法律であることを説明しました。
 学校には、職場の労働環境が原因となって教職員の健康や安全がおびやかされている事例が数多く噴出しています。学校という職場は決して「快適な職場環境」とはいえません。
 労安法をどのように活用していけば、学校職場の健康安全が確保され、「快適な職場」が実現できるのでしょうか。

職場に広がる健康障害
 仕事の緊張が長時間、長期間にわたって連続し、そのストレスを解消する時間的精神的なゆとりも失われている職場環境では、急性、慢性のさまざまな病気にかかる職員も多く、また不慮の事故の危険も高まっています。
 とりわけ今日では、長時間過重労働が蔓延し、過労死被害も後を絶ちません。脳神経系疾患や心臓疾患、癌なども長時間労働との因果関係が指摘されています。また、最近は精神疾患のストレス要因が職場に広がっているため、メンタルヘルス不全で休職する教職員の割合も急増しています。

労働災害の救済制度
 これらの病気や事故についての対策は、実際に災害を蒙った当事者を救済することと、それらの発生を未然に防止する手立ての二方面が必要になります。
 救済制度としては、教職員の負傷、疾病、障害、死亡などが公務上である場合には「公務災害」と認定され、療養・休業・障害・遺族などへの補償が行われます。しかし、公務災害と認定されるためには、公務遂行中の災害であり、公務と災害との因果関係が明確なものとされているため、認定申請をしても却下される事案が多く、訴訟にまで発展する例も数多くあるのが現実です。
 教職員の過労死や過労自殺では、裁判で争って公務災害認定を勝ち取った例も多く生まれています。

労働災害を未然に防ぐシステム労安体制
 災害補償の充実は、現実の被害救済のために重要な課題ですが、トラブルが起こってからその解決に力を割くことではなく、職場環境の改善で労働災害を未然に防ぐしくみを確立しようとするのが、労安法の精神です。
 そのため労安法は、使用者(教育委員会・管理職等)に対して、労働災害防止のための、作業管理、作業環境管理、健康管理を推進する労働安全衛生管理体制の確立整備を義務付けています。
 労安体制の基本は、(1)労働安全衛生に係る規則や規定の整備、(2)労安活動を推進する担当者の選任、(3)日常の労安活動について計画執行改善等をすすめる委員会の設置、の三点です。
 区市町村段階では、(1)教職員健康管理規則、学校労働安全衛生規則などの策定、(2)総括安全衛生管理者、衛生管理者、産業医の選任、(3)総括安全衛生委員会の設置が求められます。
 各学校段階でも、(1)労安規定、(2)安全衛生管理者、安全衛生推進者の選任、(3)労使からなる衛生委員会、衛生懇談会の設置がもとめられます。

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