生活と権利を守る

【シリーズ企画】職場に生かす労安法 詳細

2008.07.15

職場に生かす労安法(3)

地教委は法令への理解不十分(文科省)
 「上から通知が下りてきていないから...」労安法に基づく体制整備が全く行われていない地教委に体制の確立整備を要求すると、決まって返ってくる答えです。でも、本当にそうでしょうか。
 前にも書きましたが、とりわけ義務制の学校職場はほとんどが労働者五十人以下のため、長い間法規制の外におかれ、国や都教委からの強い指導もありませんでした。文科省は毎年、全校を対象に労安体制の整備状況調査だけは行っていましたが、その公表すらしませんでした。
 しかし、二〇〇六年頃から文科省の姿勢にも大きな変化が生まれてきました。労安体制未整備の教育委員会に対して、整備が進まないのは、「事業者である教育委員会において、体制整備の必要性及び関係法令等についての理解が不十分」とまで述べています。
 文科省が地教委に責任を押し付けるのはお役所仕事の常套ですが、問題は、もはや体制整備の遅れは許されない段階にきているということです。

吹き始めた「ローアンの風」
 この二〇〇五〜〇六年にかけて、国会では「労安法」の改正が論議されていました。その中心テーマは、職場における「長時間過重労働対策」と「メンタルヘルス対策」です。とりわけ労安の空白地帯となっていた学校職場の労働環境は、国会でも大きな問題とされ、学校の長時間労働、教職員の精神疾患や過労死などが緊急の解決課題とされたのです。この改正労安法は、「学校教育の場で労働安全衛生の必要性について指導徹底をはかる」との異例の付帯決議を付けて成立しましたが、同じ〇六年七月、文科省が四十年ぶりに「教員勤務実態調査」を実施したのも、これらの動きを受けてのことです。また、同じ〇六年、ILOは「安全で健康な労働環境を促進する労働安全衛生の枠組み条約」(一八七号条約)を採択し、政府はその批准のための条件整備を迫られるなど、国際的な動きも影響を与えています。
 こうして昨年十二月、文科省は全国の教育委員会に対し、「労働安全衛生対策に万全を期」すようにとの「通知」を発しました。そこでは、労安体制の整備は、「教職員が意欲と使命感を持って教育活動に専念できる適切な労働環境の確保に資するもの」であり、「学校教育全体の質の向上」にとっても重要と述べています。また、本年四月からは、「すべての事業場に面接指導等が義務付けられることとなっており、これまで当該規定の適用対象とされていなかった学校においても、面接指導が実施できるような体制の整備を速やかに行う必要があります。」とのべ、すべての学校での体制整備を求めています。

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