【シリーズ企画】職場に生かす労安法 詳細
2008.08.05
職場に生かす労安法(4)
長時間労働とローアン体制
脳・心臓疾患の発症を予防するため、長時間労働により疲労の蓄積した労働者(教職員)に対し、事業者(設置教育委員会)は医師の面接指導を実施することが、労働安全衛生法の改正によって義務づけられました。この改正は、五〇人未満の事業所(幼稚園・学校)にも、今年四月から適用されています。
長時間の過重労働は疲労蓄積の重要な要因であり、過労死との関連が強いこと、働くことにより労働者が健康を損なうことはあってはならないこと、労働者の健康管理についての事業者の責任を明確にしたこと、などが法改正の趣旨です。
この法律が学校職場で正しく適用されるために、事業者(教育委員会)が行わなければならないことは二つです。
第一は、一人ひとりの労働時間を正しく把握することです。「労働時間」とは、言うまでもなく「働いた時間のすべて」です。通常の企業ではその対価として賃金が支払われますから、事業者も労働者もその時間を厳密に管理しています。
しかし教職員の場合は、勤務時間の内外の勤務に包括的に四%の教職調整額を支給することで、残業手当と係わる労働時間管理は全く行われてきませんでした。しかし、手当て支給の対象であるかどうかを問わず、労働時間の適正な管理は、安全衛生上の事業者の責任です。教育委員会は、長年にわたってこの責任を果たしてこなかったのです。教員の異常な長時間過重労働や、過労死、過労自殺、精神疾患等の比率が他職種に比べても際立っている事態の原因の一つが、この教育委員会の安全衛生対策の立ち遅れにあることは明らかです。
今回の労安法改正は、大前提として、「労働時間の適正な把握」を事業者(地教委)にきびしく求めているのです。どのような方法で一人ひとりの教職員の毎日の労働時間を適正に把握するか、その方法の確立が求められています。
第二は、「長時間にわたる時間外・休日労働」についての基準です。厚労省は、(1)健康障害防止のための時間外労働は月四十五時間以下、(2)過労死ラインの時間外労働は月平均八十時間以上、と基準を示していますが、これに沿って各教育委員会は具体的な施策を進めなければなりません。
どのようにして教職員の時間外・休日労働を月四十五時間以下に改善するのか、過労死ラインを超えて実際に働いている教職員一人ひとりの健康管理をどう進めるかなどの、健康管理指針も作らねばなりません。医師による面接指導がきちんと受けられるように、産業医などを確保する予算措置も必要になります。
