生活と権利を守る

【シリーズ企画】職場に生かす労安法 詳細

2008.08.20

職場に生かす労安法(5)

長時間労働打開と労安法
 長時間労働者に対する医師による面接指導の適用が、幼小中の職場にも緊急に求められています。労安法の趣旨どおりに、すべての学校で「長時間労働」の実態が適正に把握され、医師の指導へと、確実に進んでいけば、現場の長時間過重労働の制限や過労死防止にも大きな役割を果たします。その実現を阻んでいる障害を一つずつ明らかにし、とりのぞいていくとりくみが緊急に大切になっています。
 「長時間労働」かどうかの判断のもとになる「労働時間の適正な把握」について、行政機関は現在、どんな基準を示しているのでしょうか。
 厚労省は二〇〇一年の労働基準局長通知で、労働時間を適正に把握する具体的な方法等を示しています。それは、
(1) 使用者は、労働時間を適正に管理するため、労働者の労働日ごとに、始業・終業時刻を確認し、これを記録すること。
(2) 使用者が始業・終業時刻を確認・記録する方法は、原則として次のいずれかの方法によること。
ア. 使用者が、自ら現認することにより確認し、記録すること。
イ. タイムカード、ICカード等の客観的な記録を基礎として確認し、記録すること。
(3) 労働時間の記録書類は、労基法一〇九条に基づき、三年間保存すること。
(4) 労務管理の責任者は、労働時間管理の適正化に関する事項を管理し、問題点の把握及びその解消を図ること。 となっています。
 きわめて具体的に指示されているこの労働時間管理の方法で、全国どこの民間・公務の事業所でも当たり前に時間管理が行われているのです。にもかかわらず、こと幼小中の職場では、この時間管理が全く行われていないところに問題の深刻さがあります。しかし、この「労働時間管理」は法制化された長時間労働者への医師の面接指導が実施されるうえでの大前提です。
 すでに述べてきましたが、学校職場で時間管理が行われなかった大きな原因は、給特法によって残業手当が支給されないことにあります。しかし今、法律は手当てと無関係に労働者の安全保持の立場から「労働時間の適正な把握」を事業者に求めているのです。
 「適正な把握」ということでは、教員の場合には勤務場所を離れて行うことができる研修や「持ち帰り仕事」などの把握についても、適正な方式の確立が求められます。申告にもとづいて管理職が確認し、記録するなどのしくみが独自に必要になります。

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